『キューブ:ホワイト』 :某人体実験研究所のゆるゆる一週間

評価★★☆☆☆
原題White Chamber
公開2017
時間89 min
出演ポール・ラシッド
監督ショーナ・マクドナルド
オデッド・フェール
ニコラス・ファレル

出たよタイトル詐欺!

「キューブ」と名前がついているが、あの低予算シチュエーション・スリラーの傑作『キューブ』とは、残念ながら何の関係もない。「キューブ」なんて言葉も作中に出てこない。

一生懸命頑張ってはいるが、スリラーとしては今一つで、大事なところで「有り得へんやろ」とイラッとするので、低評価にならざるを得ない。

冒頭、いきなり世界観の説明から入るのもかなりのマイナスポイントである。結構な有名映画でも稀に冒頭説明をやる場合があるが、本来は物語上のディテールやガジェットで明かしていくのが筋だ。


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単なる拷問部屋の「キューブ」

説明が終わると、主人公の女性は真っ白な壁の方形の部屋の中にいる。当然外部は見えない。床と天井だけは金属で銀色である。

この中で主人公が急激な温度の上昇や下降、電気ショックなどの拷問を受けるのだが、なんと開始10分くらいで拷問をしている男が自らその顔を明かしてしまう。そしてどうもこの主人公の女性は記憶喪失か、あるいは意図的にアカの他人の振りをしているらしい。

そして話はいきなり、その5日前に飛ぶ。そこでは主人公の女性は研究所の責任者であり、白い部屋の中に被験者を入れ人体実験を行っていたのだ。

B級映画は色々甘いんだよ!

色々文句をいいたところはある。まず決定的に話がつまらない。作品中には人種差別、民族主義、人体実験に対する倫理観などの思想が組み込まれているのだが、今更「そういうのって良くないよね」レベルの正義感を見せられても、視聴者としても「そうだよね」くらいの反応しかできない

実験の補佐役として入所した新人の若者も、完全に人体実験には不向きの倫理観旺盛なタイプであり、何故彼女が選ばれたのか疑問である。出てきた時点で完全に後々問題の発端になることが丸わかりなのだ。国が内乱中なので他に選択肢がないのか何なのかは知らないが、そういう細かいディテールを表現できないからダメなんだな。

最後の方でこの新人女性が罪悪観に堪えられずに拷問部屋のドアを開けてしまうのだが、クリックひとつで重要なロックを解除できてしまうセキュリティに、間違いなくワイ以外の視聴者も怒りマックスのデスロードである。B級映画界はいつになったら、主人公グループとデンジャラスの間にきちんと多重セキュリティを導入できるんだ?

そして人体実験を行っていた主人公グループは、白部屋から出てきた被験者一人に制圧されてしまい、さらにそこに反政府軍みたいなのが来て、主人公の女性は白部屋へ入れられてしまう。

主人公は家族を反政府軍に殺された(多分)ので、ソシオパスみたいに人体実験に入れ込むようになったみたいな描写がされている。まあ彼女も可哀相だけど、しゃあないわな。

そんな経緯で白部屋に入れられたので、態々記憶喪失とか赤の他人のふりをする意味がないと思われるのだが、ひょっとしたらワイが何か見落としてるのかも知れない。だがもう映画に戻って理由を探す気力もないし、そこまでの作品じゃないのでもういいッス。うぃッス。

<おわり>

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