『ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー』 :三匹のおっさんの飛べないクリスマス

評価★★★☆☆
原題The Night Before
公開2015
時間101 min
監督ジョナサン・レヴィン
出演ジョセフ・ゴードン=レヴィット
セス・ローゲン
アンソニー・マッキー

Trailer ─予告編

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First Impression ─まえがき

クリスマスを前に最後の大はしゃぎをしようと計画するおっさん親友三人のコメディ

映画としての出来は微妙。ちょっぴりファンタジー要素が入ってるくせにはじけっぷりも微妙で、いいキャラが出てくるのに惜しい。コメディとしてもそこまで大爆笑するようなタイプじゃない。いわゆるハートフル・コメディというやつ。

下ネタ有り、ドラッグ有り、宗教ネタ有りの上にそこそこ不潔なので、多分見る人を結構選ぶ。

Plot ─前半のあらすじ

2001年のクリスマスの直前、イーサン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は事故で両親を失う。

イーサンの二人の親友アイザック(セス・ローゲン)とクリス(アンソニー・マッキー)はイーサンを元気づけようとイブの夜に彼を連れ出し、バーで酒を振る舞った。

それ以来クリスマスは三人で馬鹿をやって過ごすのが慣例となった

2008年のクリスマスで、三人はどこかで行われている「ナットクラッカーボール(タマ潰し大会)と呼ばれる謎のパーティの噂を耳にする

三人は毎年毎年クリスマスにそのパーティの場所を探し回ったが、不運にも見つけることが出来なかった。

2015年、三人はとうとう毎年続けていたクリスマスの馬鹿騒ぎをやめることにする。アイザックは結婚し、クリスはアメフトのスター選手となっており、「大人」になった故だった。

だが、ただひとりイーサンだけは14年前20歳のころと変わらない生活を続けていた。イーサンはミュージシャンの夢を諦めきれず、今はホテルで給仕の続ける毎日だった。

そんなイーサンが業務でパーティに出席する客の上着を預かったところ、そのポケットに伝説のナットクラッシュボールの招待券がちょうど3枚見えているのを発見する。

イーサンはその招待券を懐に入れると、喜び勇んで仕事を早々に切り上げ、アイザックとクリスのもとへ向かう。

Review ─批評

作品の流れがやや退屈

この作品のコンセプトは「自分に素直になれるか」。イーサン、アイザック、クリスの三人ともが自分自身に偽って生きている。

イーサンは元カノとの復縁に踏み切れず、アイザックは父親となることへの不安を持ち、クリスはステロイドを使用して選手としての能力を維持していることを隠している。

それらの状況をどうやって克服、あるいは認めていくかという過程が焦点となるわけだが、良く言えば等身大、悪く言えばそこまで引きのない展開が待っている。

また物語の結節点として「ナットクラッカーボール」というパーティが予定されているが、それが始まる時間まで暇を潰さなければならないという流れになっている。

従って見てる方としてはパーティが始まるのを「待つ」という印象を持たされる。これが地味に効いていて、どうしても「つまらん話はええから、はよ結論のパーティに行けや」と思ってしまうのだ。この点は残念な作りとなっている。

アイザックの不安

アイザックは父親になる不安があるが、妻の前では不動の「岩」のように振る舞っている。本当は自分が子供を育てるなんて考えられないし、考えたくもないのだ。

そうした不安を妻がネットで検索して買ったドラッグを使って解放していく。

ユダヤ人のアイザックが教会で粗相したり、NBAスター選手の「メサイア」を “crucified” するのには大爆笑で、たぶん一番面白いのは、このアイザックのパートである。

最終的にアイザックは妻に自分の不安を認めて、ともに支え合って子供を育てようということになる。

クリスの偽り

クリスは他の選手のパシリみたいな役回りをしている。それを認めたくなくて、他の選手の役に立っているという自分を演出して生きている。

また彼は実力としては他の選手に劣っているが、ステロイドを利用して能力をバフアップしており、それが心の枷にもなっている。

クリスは最後にそういったパシリ的役回りを拒否し、ステロイド使用を公表することで本来の自分に戻る。

イーサンの躊躇い

イーサンは元カノのダイアナに未練がある。本当にダイアナのことを愛していたが、ダイアナの両親に会いに行くことが怖くて、自然とダイアナと自然分解してしまった。

イーサンはダイアナと親密になると、アイザックやクリスとは疎遠になるのではないかと恐れていたのだ。突如両親を失って苦しんでいたイーサンを支えてくれたのはアイザックとクリスであり、彼らはイーサンにとって家族、兄弟も同然だったからだ。

ナットクラッカーボールでイーサンはダイアナに結婚を申し込む。一度は否定されるが、実はダイアナも結婚することを望んでいた。この謎の二段階承認が必要なのかどうかわたしにはよくわからなかった。もっと表現のしようがあったような気がするが…。

ナイトクラッカーボール

ナットクラッカーボール作品冒頭からなんかすごいパーティだという感じでストーリーが進んでいくが、なんてことはなく、普通のクリスマスパーティだった。他の主人公三人の友人付近のMOBキャラも普通に参加してるし。

ストーリーも全体的に低調で、ギャグがたまに笑えはするけど、視聴後の感想は微妙なんだよなあ。落とし所も「家族っていいよね」みたいな無難なところで、「あの人はいい人だね」的な「いい映画」レベルに留まっている。

もちろんそれは悪いところではないけれど、批評するとなると平均点というところに落ち着かざるを得ないです。はい。

<おわり>

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