『レプリカズ』 :クローン技術で禁断の家族再生

評価★★☆☆☆
原題Replicas
公開2018
時間107 min
監督チャド・セント・ジョン
出演キアヌ・リーヴス
アリス・イヴ
トーマス・ミドルディッチ

Trailer :予告編

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First Impression :まえがき

キアヌ・リーヴス主演のサイエンス・フィクション・スリラー。

キアヌ・リーヴス自体は好きだけど、彼の作品にはどうも微妙なものが多い

この『レプリカズ』も正直微妙。何でこんな事になっているのかよくわからないストーリーになっている。

内容的にはクローン技術を扱っているのだが、前半と後半で作品のアジェンダというかテーマみたいなものが変化しており、表現したいことが一定していない。

Plot :前半のあらすじ

ウィリアム・フォスター(キアヌ・リーヴス)は医療系バイオ企業の研究者で、死者の記憶を人工的に作られた体に移植する研究に従事していた。

だが理論的には成功するはずの記憶移植が、何らかの理由で上手く行かない。記憶を移植されたロボットは合成ボディを動かすことは出来たが、何故か自己認識に障害が発生し自己破壊に至るのだった。

上司のジョーンズ(ジョン・オーティス)はウィリアムの上手く行かない実験に対し、これ以上失敗すると資金繰りに問題が出るだろうと苛立ちを顕にする。

ウィリアムは貰えた休暇中、三人の娘と息子、そして妻との五人の家族で旅行に出かける予定を組んでいた。

荷造りの手伝いをしに駆け付けた同僚の技術者エド(トーマス・ミドルディッチ)が実験の失敗について話すと、ウィリアムの妻で医療従事者のモナは「死から人を呼び戻すのは苦しみを生むだけだ」と語る。

モナは「人間は過去の出来事と過程の統計に過ぎない」と反論するウィリアムに対し、善悪の判断を失いかけているのでは?と危惧を持つ。

エドのボートを借りるため夜に雨の降る中で車を走らせるウィリアムだったが、雷撃で発生した倒木に巻き込まれ、妻モナ、長女ソフィ、長男マット、次女ゾーイを失ってしまう

絶望したウィリアムはある計画を思いつく。ウィリアムはエドに連絡し記憶移植に必要なマッピング装置を持ってこさせ、そして研究所からクローン作成に必要な培養装置を運び出す。

ウィリアムはクローン人間を自宅で培養し、妻と子供たちの記憶を移植させるつもりだった

だがその計画にはクローン培養のためのポッドがどうしてもひとつ足りなかったウィリアムは失った家族四人のうち、誰かひとりを諦めなければならなかった

Review :批評と解説

この作品の前半は、ウィリアムの自宅でクローン培養を技術的に成功させる方法と、クローン培養と記憶移植が成功するまで家族を生きているように見せかける工作が主なプロットである。

そして後半は、家族が自分たちがクローンだと気づかないように配慮するウィリアムと、軍事技術としてクローン技術を利用し、ウィリアムの家族を研究材料として扱おうとするジョーンズとの争いがメインとなる。

多分多くの人が「色んな方向に向きすぎでしょ?」と思うはず。

やりたいことがたくさんありすぎるのか、詰め込みすぎてストーリーが迷走しているどう考えてももっと絞るべきだった。

クローンと人間の記憶に関する技術的問題を扱いたかったのか(ハードSF)、それとも犯罪的行為を隠匿するためのサスペンスにしたかったのか(クライムスリラー)、それともクローン技術を軍事転用しようとする政府的機関との戦いを描きたかったのか(テクノスリラー及びアクション)、きちんと最初に決定しておくべきだ。

そして最後は完全なるハッピーエンド的な感じになっているのだが、「本当にそれで良かったのか?」「え、それで終わっていいの?」と、こっちが不安になったくらいだ。

多分いくつかの問題(クローン家族の不信感や体調や精神の不調、機関の追手など)が解決しないままにエンディングへ突入しているが、あるいはわたしが途中で気づかないまま二十分ぐらい眠ってしまったのだろうか? 本当に大丈夫か? それとも次回作でも予定に入ってる?

あとこの作品の日本版wikiには、制作とか製作総指揮とかのところにやたらたくさんの人の名前が書かれている。「製作総指揮」ってどんな役割だかよくわからないけど、指揮する人ってそんなに必要なんですかね? それともこの映画、ひょっとして日本みたいに「何とか委員会方式」で制作しましたか?

あとどうでもいいけど音楽も酷い。

<おわり>

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