『ワイルド ラヴァーズ』 :エロティシズム半開のサイコスリラー

評価 ★★★★☆ 
原題 Kill for Me 
公開 2013 
時間 95 min 
監督 マイケル・グリーンスパン 
出演 ケイティ・キャシディ 
ドーナル・ローグ 
トレイシー・スピリダコス 
アダム・ディマルコ 

Trailer :予告編

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First Impression :まえがき

純粋なサイコスリラー。

原題は “Kill for Me” なのに何故か邦題は『ワイルドラヴァーズ』とかいう馬鹿みたいなタイトルになっている。どういう意味やねん。

意表をついて結構面白い。出てくる女優が全員かなりの美人であり、特に主役のケイティ・キャシディは洒落にならない美しさである。父は俳優で母はモデルだと言うから、完全に血のなせるワザなんだろう。

そういう意味ではセクシーさでも気を引こうとしている作品ではある。

Plot :前半のあらすじ

シェアハウスで暮らしている大学生のアマンダ・ロウ(ケイティ・キャシディ)は、同じ家に暮らしていた親友のナタリー(リア・ギブソン)からの電話に出なかったことを後悔していた。

ナタリーはある夜バーに行ったきり行方不明となり、シェアハウスに戻ってこなかったのだ。音信が途切れる前にナタリーはアマンダに車が故障したとの電話をかけていたが、知らずにアマンダは電話を無視してしまっていた。警察の捜査も虚しくナタリーが見つかることはなかった

アマンダは、いつかナタリーが帰ってきたときのためにとシェアハウスのナタリーの部屋をそのままにしておくように望んだが、二部屋分の家賃を払えるわけもなく、アマンダはやむを得ず部屋を明け渡した。

新たにその部屋に入居することになったのは一年生で獣医学を学ぶヘイリー・ジョーンズ(トレイシー・スピリダコス)だった

ある深夜アマンダは物音に気づいて目が覚める。アマンダには別れた男キャメロンがおり、彼がシェアハウスに侵入したのではないかと疑ったのだ。ヘイリーを心配して見に行くが、彼女は無事だった。だがアマンダはヘイリーの背中に無数の傷跡が刻まれているのを見たヘイリーは虐待の被害者だった。

翌日アマンダのもとにキャメロンが現れる。アマンダは警察を呼ぶとキャメロンを脅すが効果がなかった。キャメロンが無理矢理アマンダを抱き寄せようとするのをヘイリーが咎め、キャメロンと乱闘になる。アマンダとヘイリーの必死の抵抗でキャメロンは引き下がるが、ヘイリーは額に傷を負ってしまう。

アマンダはナタリーの失踪にはキャメロンが関与していると見ていた。ナタリーが消えた夜、キャメロンはナタリーがアルバイトをしているバーに現れていたのだ。そんな話をしながらアマンダがヘイリーの傷を手当していると、ヘイリーは突然アマンダにキスをする。

一瞬戸惑うアマンダだったが、すぐにヘイリーの思いを受け入れる。ふたりは「女と女」の関係となった

そんなある日アマンダが地下室で洗濯していると、階上に不審な物音を聞く。不審な物音の主はキャメロンだった。アマンダは隠れてやり過ごそうとするが、運悪くキャメロンに発見される。

首を絞められ危機一髪のところを、帰って来たヘイリーの応援を得、アマンダはキャメロンの頭部にアイロンの一撃を加えた。あまりの重症にキャメロンは帰ろうとするが、ヘイリーはそのキャメロンの後頭部に薪割り用の手斧を振り下ろしたのだった。

Review :批評と解説

物語は結構テンポよく進み、要所要所で次の展開を知りたいという欲求を味あわせてくれるので退屈はしない。

始めは多少気の強い女子学生程度に見えていたヘイリーが、次第に本性を現していく様もなかなかグッド。ヘイリーもなかなかの美人だが、狂気を表すたびにその表情も凶気を醸し出してくる。しかもヘイリーは「こんなクズ男は早よ殺ってしまえ」という視聴者の思いも躊躇なく叶えてくれる

割と伏線をしっかり張っているのも素晴らしく、しかもそれについて態々説明しないのも悪くない。

作中ではしっかり説明されていないが、ヘイリーがアマンダのもとに現れたのは偶然ではなく、恐らく当初からのヘイリーの計画である。

ヘイリーはTVで放送された議員のインタビューから、アマンダのことを直接会う前から見て知っていた。そしてアマンダに恋心を持っていた

・ナタリーを誘拐したのはギャレットだが、ナタリーが来たことでヘイリーはギャレットから自由になれた。だがヘイリーはギャレットを許さず殺す計画を立てた。あるいはナタリーを誘拐するように仕向けたのもヘイリーだと考えると面白いが、多分そこまでは考えられてないだろう。

・ヘイリーはナタリーの代わりにアマンダのシェアハウスに入居する。背中の傷を見せてアマンダの同情を誘う。そして共犯関係になることでアマンダとより深い関係になろうとした

概ね上記のようなことだと考えられる。

ただアマンダがギャレットの安っぽい作り話を信じてヘイリーを罠にはめようとするのは、やや微妙な筋書きである。それにはギャレットは一度アマンダを逃さなければならないわけで、そこのところのプロットがやや不安定に感じられる。

とはいえ物語が破綻するほどの大きな陥穽はない。明らかに客寄せのためだが、微妙にエロティシズムが奮っているのも特に男性には見応えあるだろう。謎の百合展開も良い。Rotten Tomato の オーディエンススコアは30%以下で完全に腐っているが、わたしの印象と見解ではそんなに悪い作品ではない。

<おわり>

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