『クワイエット・プレイス』 :バカ家族が起こす、まぬけなエイリアン攻防記

評価★☆☆☆☆
原題A Quiet Place
公開2018
時間90 min
監督ジョン・クラシンスキー
出演エミリー・ブラント
ジョン・クラシンスキー

賢ければ事件は起こらない?それは嘘だ

私は基本的にホラー映画は好きである。ただし、イライラさせない限りにおいて。

イライラするのは、ある特定の状況において、登場人物が、敢えてそうすべき理由もないにもかかわらず、明らかに取るべきではない行動をとったときである。

前にもどこかで書いたが、賢い人間がベストな選択をしても事件が起こるから「ホラー」たり得るのだ。

バカがバカな選択をしてバカな状況に陥っても、それはただのコントである。コントであってもこちとらホラーを見に来ているのだから当然笑えず、まさに怒りしか覚えない。

「バカはホラー映画のセオリー」とか言うホームラン級のバカは永遠にゾンビーバーだけ見てろ!

気を取り直すとだな、ホラー映画はそういった状況を取り分け際立たせるために、はっきりと好き嫌いが出てしまう。この作品を好きか嫌いかと言ったら、はっきり言って嫌いである。その通り、登場人物がバカばっかりだからである。


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盲目のエイリアンは音で人間を察知する

物語はエイリアンが地球に襲来して三ヶ月ほど経ってからの時点から始まる。

このエイリアンは盲目だが、人間よりも遥かに強い(人間より弱いエイリアンなんて一度しか見たことないが)。そして音を頼りに人類を狩るのだ。

主人公家族は、自分たちの住居から離れた町のドラッグストアで、長男(推定10歳)の病気のために薬を手に入れた。父は二女(推定4歳)に玩具は音を出すから持って帰ってはダメだと諭す。しかし長女(推定12歳)が「内緒だ」と言って玩具を二女に渡してしまう。長女は電池を抜いてあるから安全だと思ったのだが、二女は電池もこっそりと持ち出してしまう。

イライラポイント列挙ゾーンだよ

まずイライラさせるのが、自宅への帰路途上、この五人家族が最後尾に一番年下で四歳くらいの二女を歩かせていることだ。完全にあってはならない。

そのために二女が玩具で遊んでいることに気が付かず、結果二女は音を出してしまいエイリアンに殺される。

道路上に砂をまき、なるべく音を出さないように生活しているくらいの家族であるはずなのに、作り手は何故そんな間違いを家族に犯させるのか。そして何故視聴者をイライラさせようとするのか。

この一件で長女は罪悪感から両親に対してやや反抗的になる。

時は上記の事件から一年半後に移る。妻が妊娠し、日にち的にもうそろそろ生まれるほどの頃である。その中、夫と長男はエイリアン対策の勉強のため、家を留守にする

何故だ。それはその時しなければならないほどのことなのか。しかも長男は行きたくないと拒んでいるのに。

なおその対エイリアン対策のお勉強も大したことはしていない模様。文字で書けばだいたい理解可能なことである。

おかげで妻は洗濯した沢山の衣類を布の袋に詰めて、身重で階段を上がり下がりすることになる。

この時、家に残っているはずの長女は、馬鹿なので身重の母を手伝わずに外出している。

妻は階段を上がるとき、階段の床から突き出た釘に袋を引っ掛ける。これで釘の先端が完全に上を向き、次にそこを踏んだ誰かの足を刺す格好となる

このシーンを見ればわかるが、誰がどうみてもそこに釘が刺さっているべき合理的な理由がない。あるいは、裸足で暮らしているのに、何故釘を放置した?頭脳が間抜けか?あるいは、袋が何に引っかかったか調べようとしないのは何故だ?

普通だったら調べる。誰だってそ-する。俺もそ-する。靴下を履いて生活していても、床板のささくれ程度のものでも引っかかったら結構な痛みや流血を伴ったりするはずだ。まともな認識を持った大人なら気にならないわけがない。作り手は気にしなかったらしい。まともな認識がないからだろう。

案の定、妻は再度階段を降りたとき、釘で足裏を貫き、持っていたガラス製品を落として割ってしまう。しかも自分自身で痛みのため大声を出し、エイリアンを呼び寄せてしまう。

最悪のエンディング直前シーン

前項のシーンの後にも面倒くさい展開が続くのだが、特にどうしようもないのが作品最後のシーンである。

エイリアンの弱点が、人間の不可聴域にある高音だということが分かり、それに怯んだ一匹のエイリアンが、妻によって射殺される。

エイリアン一匹を殺したのはいいが、発砲したことで他のエイリアンが集まってくることになる。そのエイリアンが集まる様子を監視カメラで見た妻が「我々は優位に立った。さあショータイムの始まりだぜ」くらいの笑みを見せるのだ。

本当に馬鹿じゃないのか

夫はこの直前に子供を守るために犠牲となってエイリアンに殺されているのだ。ホームラン級の馬鹿か。作り手は。このシーンで家族ドラマも全てが台無しだ

映像は悪くないし、エイリアンの造形も、アイディアも悪くないから、まあまあまあ★★☆☆☆あたりでお茶を濁そうと思っていたが、この妻の虫酸が走る表情で★☆☆☆☆が確定した。これは一時間半のゴミだ。

<おわり>

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